2019年02月23日

2月23日の鳥海山




  西郷隆盛の遺訓 第一章  
  

  廟堂に立ちて 大政をなすは天道を行ふものなれば、
  ちつとも私を挟みては済まぬものなり。

  いかにも心を公平に操(と)り、正道をふみ
  廣く賢人を撰挙しよくその職に任(た)うる人を 
  あけて政柄(せいへい)を執(と)らしむるは 即ち天意也。

  夫(そ)れ故真に賢人を認る以上は直ちに我か職を譲る程ならては叶はぬものぞ。
  故に何程国家に勲労あるとも、その職に任(た)えぬ人を官職を以って賞するは

  善からぬことの第一なり。
  官は其の人を撰びて之れを授け、功有る者には俸禄を以って賞し、
  
  之れを愛し置くものぞと申さるるに付き、
  然らば尚書ちゅうきのこうに「徳さかんなるは官をさかんにし、功さかんなるは章さかんにする。」

  とこれ有り。
  徳と官と相ひ配し、功と賞と相ひ対するは此の義にて候ひしやと請問せしに、
  翁欣然として、其の通りぞと申されき。


  ※要約(荘内南州会 人間学講座資料から)

  政府の中にあって、国のまつりごとをおこなうことは、天の道即ち天地自然の道を行うことである。
  したがっていささかなりとも私心をはさんではならない。

  常に心を公平に保ち、正道に立ちてすすむことである。
  その為に広く賢人を選び、その職務に最適な人物に政務を執らせることにより天意に
  そうことができるのである。

  若し本当に賢人がみつかれば、直ちに自分の職を譲るほどでなければならない。
  故に、どんな国家に功績があっても、その職に適していない者に官職を与えることは

  最も悪いことである。
  官職は人物を選んで授けるものであり、勲功あるものには俸給を与えて大事にするがよい。
  と南州翁(西郷隆盛)が申された。

  聞いておった元荘内藩士がそれは、尚書(中国の四書五経のひとつ)のちゅうきのこうにある
  「徳さかんなるは官をさかんにし、功さかんなるは章さかんにする。」
  徳のある者には官職を授け、功労のある者には賞を与えるのと同じ意味ですかと、
  たずねると、翁(西郷隆盛)は大いによろこばれて、その通りであると答えられた。


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Posted by asone at 13:01Comments(0)